ベランダの下の部屋の天井や、掃き出し窓のまわりに雨染みが出ていたら、ベランダから水が入っているかもしれません。
入った水は壁や床の中を伝うため、シミの場所と水の入口が離れていることもよくあります。
放っておくと、中の木が湿ったままになり、腐れやシロアリにつながります。
この記事で分かることは、次のとおりです。
- 水が入る5つの場所と見分け方
- 雨の日にすぐできる応急処置
- 自分で直せる範囲と、業者に任せる症状
- 修理費用の目安と、火災保険が使える場合・使えない場合
ベランダの雨漏りの原因は?ベランダの下に水が回る5つの場所

ベランダの雨漏りは、次の5つの場所から水が入ることがほとんどです。
- 床の防水層
- 排水口
- 笠木や手すり
- 掃き出し窓のサッシまわり
- 外壁とベランダのつなぎ目
シミの位置と水の入口は、同じとは限りません。
場所ごとの見分け方は、次のとおりです。
| 水が入る場所 | シミや水が出やすいところ | 自分で確かめられること |
|---|---|---|
| 床の防水層 | 真下の部屋の天井 | 床のひび・ふくれ・色あせ |
| 排水口 | 掃き出し窓の下・真下の天井 | 落ち葉や砂の詰まり・大雨のあとの水たまり |
| 笠木や手すり | ベランダの裏側・下の部屋の外壁側 | つなぎ目のすき間・手すりの根元のぐらつきやサビ |
| サッシまわり | 窓の下の床・窓枠の角 | コーキングのひび割れや剥がれ |
| 外壁とのつなぎ目 | ベランダ側の壁際 | 外壁のひび割れ・壁際のシミ |
床の防水層のひび割れや剥がれから入る
床の下には、雨水を通さない防水層があります。
表面を守るトップコートが日差しや歩く負担で薄くなると、防水層にもひびが入り始めます。
次のような様子がないか見てください。
- 細かいひび割れ
- ふくれや浮き
- 色あせや、触ると手につく粉
- 雨がやんでも乾かない水たまり
入った水は床の下を通り、真下の部屋の天井に出てきます。
防水層は、10年前後で点検や工事を考える時期に入ります。
排水口が詰まって水があふれる
大雨の日だけ漏れるなら、まず排水口を疑います。
- 落ち葉や砂で排水口がふさがる
- 床にたまった水が、防水の立ち上がりを越える
- 壁の中や掃き出し窓の下へ回り込む
排水口のまわりのひびや、排水管・雨樋の詰まりでも、同じように起こります。
関連記事:雨樋修理は自分でできる?費用相場や修理方法を詳しく解説
笠木や手すりのすき間から入る
床がきれいなのに漏れるなら、笠木や手すりを見てください。
笠木は、腰壁のいちばん上にかぶせた細長い部材で、下は防水されていないことが多い場所です。
入口になりやすいのは、次の3つです。
- 笠木のつなぎ目のコーキングの切れ
- 手すりの根元のぐらつき
- 手すりの金具のサビ
入った水は壁の中を下り、ベランダの裏側(軒天)や、下の部屋の外壁に近い天井や壁にシミが出ます。
サッシまわりのコーキングが切れる
窓の下の床が湿っている、窓枠の角にシミがある場合は、サッシまわりが入口かもしれません。
- 掃き出し窓のまわりのすき間は、コーキングでふさいである
- コーキングは年数がたつと硬くなり、ひび割れや剥がれが出る
- 窓の下は床との段差が小さく、排水口の詰まりで床に水がたまると、ここから先に入ることもある
外壁とベランダのつなぎ目にすき間ができる
ベランダが外壁から張り出している家では、つなぎ目も入口になります。
地震や風の揺れで、つなぎ目のコーキングや板金が少しずつずれるためです。
手がかりは、次の2つです。
- 外壁のひび割れ
- ベランダ側の壁際のシミ
屋根や外壁の別の場所から入った水が、ベランダのまわりに出てくることもあります。
ほかの場所を見ても思い当たらないときは、業者に調べてもらうのが近道です。
ベランダの雨漏りを見つけたら今すぐできる応急処置5つ

まず家の中の被害を止め、そのあとでベランダ側の手当てに移ります。
- 室内に落ちる水をバケツとタオルで受ける
- 漏れている場所の近くの電気を使わない
- 排水口のごみや落ち葉を取り除く
- ひび割れに防水テープや補修剤を使う
- ブルーシートや防水シートで床をおおう
どれも被害を広げないための手当てです。
漏れが止まっても、あとで原因は確かめてもらいましょう。
手すりから身を乗り出す作業は転落の危険があるので、手の届く範囲だけにしてください。
室内に落ちる水をバケツとタオルで受ける
天井から水が落ちてきたら、次の順に動きます。
- 真下にバケツを置き、中にタオルを1枚入れて跳ねを防ぐ
- まわりの床に新聞紙やビニールシートを敷く
- 家具や家電を濡れない場所へ動かす
- シミの範囲をスマートフォンで撮っておく
雨の日の写真があると、業者が原因を絞り込みやすくなります。
漏れている場所の近くの電気を使わない
照明のまわりから水が垂れているなら、バケツより先に電気を止めます。
天井の中の配線に水が回ると、漏電や故障につながるおそれがあるためです。
- その部屋のブレーカーを落とす
- スイッチやコンセントに濡れた手で触れない
- 近くの壁にシミが広がっているコンセントは使わない
排水口のごみや落ち葉を取り除く
ベランダに水がたまっているなら、まず排水口を見ます。
落ち葉や砂が詰まっているだけなら、取り除いたとたんに水が引き、漏れが止まることもあります。
- ゴム手袋をして、手の届く範囲のごみを取る
- 奥を棒などで強くつつかない
奥の排水管やまわりの防水層を傷つけると、新しい雨漏りの原因になります。
ひび割れに防水テープや補修剤を使う
床や壁際の小さなひびは、ホームセンターなどで手に入る防水テープや補修剤でふさげます。
- 雨がやんでから、ひびのまわりの汚れを落とす
- よく乾かしてから貼る・塗る
- 排水口のまわりや水の出口はふさがない
濡れたまま貼るとテープが浮きやすく、出口をふさぐと入った水が中にこもります。
ブルーシートや防水シートで床をおおう
どこから入っているか見当がつかないときは、床全体をシートでおおいます。
原因が床にあれば、雨が直接当たらなくなるので漏れは弱まります。
- シートの端は、土のうや水を入れたペットボトルで押さえる
- 排水口の上だけは、シートをかけずに空けておく
ベランダの雨漏りはDIYで直せる?判断する3つのポイント

自分で直せるのは、排水口の詰まり・表面の小さなひび・トップコートの塗り替えまでです。
症状ごとの目安は、次のとおりです。
| 症状 | 自分でできるか | 理由 |
|---|---|---|
| 排水口の詰まり | できる | 掃除で直ることが多い |
| 表面の小さなひび | 一時的にできる | 防水テープや補修剤でふさげる |
| トップコートの色あせ | できる | 表面の塗り替えで済む |
| 防水層の割れ・ふくれ | 難しい | 防水層の工事が必要になる |
| 原因が分からない雨漏り | 難しい | 調査をしないと直す場所が決まらない |
防水層の中まで傷んでいる場合や、入口が分からない場合は、手を出さないほうが安全です。
排水口の詰まりと表面の小さなひびは自分で手当てできる
排水口の掃除と、小さなひびをテープや補修剤でふさぐ作業は、特別な道具なしでできます。
手当てのあとは、最初の雨で漏れが止まったかを確かめます。
同じ場所からまた漏れるなら、原因は表面ではなく、下の防水層や壁の中に残っていると考えられます。
その時点で、業者に見てもらいましょう。
トップコートの塗り替えは自分でもできる
トップコートは防水層の上の保護用の塗装なので、防水層が無事なら塗り替えだけで済みます。
- 市販の塗料で塗り直せる
- 床をよく掃除し、乾かしてから塗る
- 防水層そのものをつくり直す工事は、専門の技術が要るので業者に任せる
関連記事:ベランダ防水工事の種類は?費用相場や業者の適切な探し方を紹介!
原因が分からないままふさぐと悪化する
怪しい場所を手当たり次第にふさぐのは、いちばん避けたいやり方です。
- 水の出口までふさぐと、入った水が壁や床の中に回る
- 入口が別の場所なら、コーキングを塗り重ねても止まらない
- 手当てを繰り返すうちに中の木が傷み、直す範囲が広がる
笠木の上やベランダの外側での作業は転落の危険もあるため、原因が分からないときは調べてもらうほうが確実です。
ベランダの雨漏りで業者に見てもらうべき4つの症状

応急処置で止まっても、次の4つのどれかに当てはまるなら、業者に原因を調べてもらいましょう。
- 下の部屋の天井や壁のシミが広がっている
- 雨が降るたびに漏れる
- 床がふくらんでいたり歩くと沈んだりする
- 前回の防水工事から10年以上たっている
どれも防水層の下や壁の中まで水が回っているおそれがあり、表から見ただけでは原因を決められません。
連絡するときは、次のことを伝えると話が早く進みます。
- 雨漏りに気づいた時期
- 漏れた日の雨の様子(大雨・横なぐりの雨・毎回など)
- シミや水が出ている場所
- 家の築年数と前回の防水工事の時期
- シミや水の様子を撮った写真
下の部屋の天井や壁のシミが広がっている
シミが前より大きくなっているなら、水が天井や壁の中にしみ込み続けています。
次のような場合は、急いだほうがよい状態です。
- 天井の板がたわんでいる
- シミを触ると湿っている
シミの輪郭に鉛筆で印をつけておくと、広がっているかが分かりやすくなります。
雨が降るたびに漏れる
少しの雨でも漏れるなら、水の入口がいつも開いた状態になっていると考えられます。
防水層の割れやつなぎ目のすき間が大きくなっていることが多く、テープや排水口の掃除だけでは止まりにくくなります。
床がふくらんでいたり歩くと沈んだりする
床の様子から、傷みがどこまで進んでいるかの見当がつきます。
- ふくらんでいるなら、防水層の下に入った水が表面を押し上げていると考えられる
- 歩くと沈むなら、床の下の木が湿って弱っているおそれがある
上から塗り直しても中の水は抜けないので、床をはがして確かめる工事が必要になります。
前回の防水工事から10年以上たっている
前回の防水工事から10年以上たっているなら、防水層そのものが寿命に近づいている可能性があります。
- 1か所を直しても、しばらくして別の場所から漏れることがある
- 新築から一度も防水工事をしていない築10年以上の家も同じ
1か所の補修で済ませるか、床全体をやり直すかは、防水層全体を見てもらってから決めるのがおすすめです。
ベランダの雨漏りを放置するとどうなる?起こりやすい4つの被害

放っておくと、水は壁や床の中で広がり、直す範囲も費用も大きくなります。
起こりやすい被害は、次の4つです。
- 下地の木が腐る
- シロアリが寄ってくる
- カビが生える
- 漏電する
シミが小さいうちに手を打つほうが、結果的に安く済みます。
下地の木が腐って直す範囲が広がる
雨漏りが続くと、床や壁の中の下地の木が腐っていきます。
- 防水層を直すだけでは済まず、下地から取り替える工事になる
- 下地の腐れやシロアリの被害まで出ていると、一般的に40万円〜80万円ほどかかることもある
- 表から見えにくく、床をはがしてはじめて分かることも多い
湿った木にシロアリが寄ってくる
雨漏りで湿った木は、シロアリが集まりやすい場所です。
被害が柱や土台にまで及ぶと、建物の強さにも影響が出てきます。
壁紙や天井裏にカビが生える
湿気がこもると、壁紙の裏や天井裏にカビが生えます。
- 壁紙や断熱材が傷む
- においが出る
- 住む人の体調に影響することがある
壁紙のはがれや黒い点が見えたら、裏ではもっと広くカビが広がっていることが多いです。
照明や配線に水が回って漏電する
天井の中の配線や照明器具に水が回ると、次のようなことが起こりえます。
- ブレーカーが何度も落ちる
- 家電が故障する
- 最悪の場合は火災につながる
照明のまわりにシミがあるなら、その照明は使わずに、早めに点検を受けてください。
ベランダの雨漏り修理費用はいくら?3つの工事ごとの目安

費用は、水の入口と、どこまで直すかで大きく変わります。
一般的な目安は、次のとおりです。
| 工事 | 主な内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 原因を調べる | 目視調査・散水調査・赤外線調査 | 0円〜30万円 |
| 部分的に補修する | コーキング・笠木・排水口の補修 | 1万円〜15万円 |
| 防水工事をやり直す | 床の防水層・下地の修理 | 15万円〜50万円 |
ベランダの広さ、傷みの程度、足場の有無でも上下します。
見積もりでは、調査・補修・防水工事のどれにいくらかかっているかを見てください。
原因を調べる費用
まず目で見て確かめ、それで分からないときに水をかけたり赤外線で撮影したりします。
| 調査の方法 | やること | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 目視調査 | 業者が見て、傷んでいる場所を確かめる | 0円〜5万円 |
| 散水調査 | 怪しい場所に水をかけて、雨漏りを再現する | 5万円〜10万円 |
| 赤外線調査 | 表面の温度の違いを撮影して、壁の中の水の通り道を探す | 18万円〜30万円 |
目視で原因が分かれば、費用のかかる調査までは要らないこともあります。
部分的に補修する費用
入口が1か所に絞れていれば、その部分だけの補修で済みます。
| 補修する場所 | 費用の目安 |
|---|---|
| 排水口の清掃や交換 | 1か所1万円〜5万円 |
| 笠木や手すりの補修 | 5万円〜15万円 |
| コーキングなどの部分的な補修 | 3万円〜15万円 |
部分補修で済むのは、防水層の下まで傷みが広がっていない場合に限られます。
防水工事をやり直す費用
床の防水層全体が傷んでいれば、防水工事をやり直します。
- 防水層のやり直しと下地の修理で、一般的に15万円〜50万円ほど
- FRP防水・ウレタン防水・シート防水などの種類でも金額が変わる
- 下地まで腐っていれば、取り替えの費用が上乗せされる
関連記事:屋根の雨漏り修理の費用相場はいくら?業者選びや助成金で安くできる方法を紹介!
ベランダの雨漏りに火災保険は使える?対象になる場合とならない場合

火災保険が使えるかどうかは、壊れた理由で分かれます。
- 台風や大雪などの自然災害で壊れた場合は、対象になることがある
- 年数による傷みは、対象にならないのが一般的
最終的には、保険の契約内容と保険会社の判断で決まります。
台風や大雪で壊れた場合は対象になることがある
台風の強い風で笠木や手すりが壊れた、大雪の重みでベランダが傷んだという場合は、対象になることがあります。
多くの火災保険には、風・雪・ひょうの被害を補償する内容が含まれているためです。
申請には、次のものが必要になります。
- 直す前に撮った、壊れた場所の写真
- 修理の見積書
被害に気づいたら、加入している保険会社に相談しましょう。
年数による傷みは対象にならないのが一般的
防水層の劣化やコーキングの切れなど、年数による傷みは対象にならないのが一般的です。
ベランダの雨漏りはこの傷みが原因のことが多く、保険が使えないケースも少なくありません。
- 「保険を使えば無料で直せる」と工事を勧めてくる業者に注意する
- 迷ったら、修理の前に保険会社へ問い合わせる
関連記事:屋根修理の火災保険の適用条件は?申請方法や注意点を紹介
賃貸やマンションのベランダの雨漏りは誰に連絡する?

賃貸やマンションでは、自分で修理せず、まず大家や管理会社に連絡します。
ベランダは、貸主の持ち物やマンションの共用部分にあたることが多いためです。
勝手に直すと、費用を負担してもらえなかったり、トラブルになったりする場合があります。
賃貸は大家か管理会社に連絡する
賃貸住宅の連絡先は、大家か管理会社です。
- 建物の修理は、基本的に貸主が行うものとされている
- 雨漏りの場所と様子を写真に残して伝える
分譲マンションは管理会社か管理組合に連絡する
分譲マンションのベランダは、多くの場合、共用部分として扱われます。
- 自分の部屋からしか出られないベランダでも、防水層などは共用部分にあたることがある
- 勝手に工事できないことがあるので、管理規約を確かめる
- 相談先は、管理会社か管理組合
ベランダの雨漏りを防ぐ3つの手入れ

水の入口は排水口と床の防水であることが多く、どちらも住んでいる人が変化に気づける場所です。
続けたい手入れは、次の3つです。
- 排水口をこまめに掃除する
- トップコートを5年ごとに塗り替える
- 10年たったら防水層を点検してもらう
排水口をこまめに掃除する
排水口は、落ち葉や砂、ごみがいちばんたまりやすい場所です。
落ち葉の多い秋や、台風・梅雨の前に一度確かめておくと安心です。
トップコートを5年ごとに塗り替える
トップコートは、一般的に5年に1度を目安に塗り替えるとよいといわれています。
- 塗装がはげたまま日差しを受けると、下の防水層が直接傷む
- 色あせや、触ると手に粉がつくようになったら、塗り替えを考える時期
10年たったら防水層を点検してもらう
ベランダの防水層は、10年前後で見直しが必要になるといわれています。
- 雨漏りがなくても、10年たったら業者に防水層を見てもらう
- 早めに見つければ、部分補修やトップコートの塗り替えで済む場合がある
まとめ
ベランダの雨漏りは、主に次の5つの場所から水が入ります。
- 床の防水層
- 排水口
- 笠木や手すり
- 掃き出し窓のサッシまわり
- 外壁とベランダのつなぎ目
見つけたときの動き方と、判断の目安は次のとおりです。
- まずバケツで水を受け、電気のまわりの安全を確かめる
- 排水口の掃除やシートで手当てする
- 自分で直せるのは、排水口の詰まり・表面の小さなひび・トップコートの塗り替えまで
- シミが広がる、雨のたびに漏れる、床がふくらむ、防水工事から10年以上なら、業者に調べてもらう
排水口の掃除なら今日からできるので、次の雨の前に一度のぞいてみてください。
